大正風俗スケッチ の紹介

目呂二は、大正文化の中心に在って、あかもカメラのシャッターを押すかのごとく、にぎわう街の風景と庶民のスケッチを独特の洒脱なタッチで描き残している。
レート化粧品本舗に入社した大正4年頃から昭和の初期に到るまで、その枚数は確認できているだけでも3000枚を下らない。
雑踏に漂う群集と塵埃。すき焼きの脂と湯気の香り。芸者衆の白粉の匂い。酔っ払いの吐く愚痴吐息。
かしましき女たちの嬌声。酔客と女給の妖しげな駆け引き。
浅草「ちんやバー」上野「池の端カフェー」など、当時の盛り場での情景が、即興的なスケッチであるが故に、一層いきいきと描かれている。
目呂二自身も、しばしば酒を呑みながらの画行で、酔うと度々スケッチブックを失念していたらしく、巻末には「お拾いになったらお届け下さい。」などと必ず覚書が記されているのがご愛嬌。

大正風俗スケッチ001えんやこら

大正風俗スケッチ002どじょう

大正風俗スケッチ003めがねの人と

大正風俗スケッチ004楽団

大正風俗スケッチ005砂利とり

大正風俗スケッチ006自画像 その1

大正風俗スケッチ007自画像 その2

大正風俗スケッチ008自画像 その3

大正風俗スケッチ009日焼け3人