カテゴリー別アーカイブ: 未分類
『おもいで草々』 7話
【二弦琴(ニゲンキン)】 父(目呂二)は、音楽も好きだった。 その名残が、今も追分(長野県)においてある二弦琴である。 三味線も弾いたし、ヴァイオリンも自己流に弾きこなし、一人悦に入っていた。 師匠に習ったことはなかった … 続きを読む
『おもいで草々』 6話
【郷里】 私の古里は、岐阜の池田山(揖斐郡)の父の郷里である。 祖父、河村静馬(目呂二の実父)は生真面目な堅人だったそうである。 村長を務めた折は、チューエンと呼ばれていた馬で役場にでかけていた。 長兄、父(目呂二)、三 … 続きを読む
『おもいで草々』 5話
【砥石】 うすねずみ色の長方形をした、数種類の砥石が、いつも家のどこかにあった。 子供心に刃物をよく切れるように研ぐ道具なんだと思っていた。 あんな長四角の石を、父(目呂二)は大切に扱っていた。 砥石を跨いではいけない、 … 続きを読む
『おもいで草々』 4話
【二代目の犬】 モーフ(一代目の犬)が、いつの頃から居なくなったのか、おぼえがない。 その後クレー(粘土)と父が命名した、大型のミックス犬が、我家の一員になっていた。 あの頃は、リードなんかつけてなく、自転車の遠乗り会に … 続きを読む
『おもいで草々』 3話
【いのち(命)】 人間は云うに及ばず、動・植物(虫も)にも、神様が与えて下さった“いのち”をもって生きている。 考えてみると、もの云わぬ道具や衣服にも、それなりの“いのち”がある。 修繕すれば復活するだろう。あれたちにも … 続きを読む