横浜の港の見える丘公園の中に建つ“大佛次郎記念館”へ行ってきました。
“大佛先生の猫コレクションの中に目呂二の『猫あんか』がある”との情報を得て、急ぎ確認したく参じたわけです。
『猫あんか』とは、目呂二が大正15年に東京で販売した、猫型の焼き物に炭を入れて使う手あぶりです。
これは親族のもとにも残っておらず、実物を見たことが無い私たちにはずっと見つけたい幻の作品の一つでした。
期待が膨らむ中、その子はいました。堂々とそして静かに・・・
初対面は記念館2階の大佛先生の猫コレクション展示スペース。
震えるような興奮と供に近づきますと、想像していたより大きく、味わいのある風貌でした。
何より顔がかわいい!うつむきかげんの顔を下から覗き込むように見ると、本当に優しくにっこりとしています。
大佛先生が猫好きのコレクターであったということはご存知の方も多いはず。
多数あるコレクションのなかでも、この『猫あんか』をとても気に入っておられ、いつも傍に置いて大切にして下さったそうです。
先生がどのような経緯でこの『猫あんか』を入手されたのかは、残念ながらまだ不明だそうです。
さらに驚くことに、展示されている子の他に壊れた部分がある子、無くなった部分がある子がおり、記念館の方の計らいで、その1体に触れることができました。
持ってみると、とても重く、どっしりとしています。
全方向から舐めまわすように鑑賞し、調べさせていただきましたが、紛れもなくこれは河村目呂二の『猫あんか』であるということがわかりました。
芸術作品として制作されたものではなく、実用性のある商業作品として製作したものであった故、署名が無かったために、記念館でも作者不明ということで扱っておられました。
しかし、この度の調査の結果で作者が判明したということで、これからは【河村目呂二作】という形で展示されることになるはずです。
今まで目呂二の作品がいつの間にか多くの皆さまの目に触れて大切にされていた事実に、驚きと大変嬉しい思いでした。
興味のある方、是非記念館へ足を運んでご覧になってみてください!
今後、記念館の方々と協力し、目呂二と大佛先生との接点を調査研究していくことが、課題となりました。
そしていつか、「猫好き先生2人展」 企画?!が出来る日がくることを夢見て・・・
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猫あんか見に行ってきたのですね。
幻の作品を見つけられて良かったね。
私も見に行きたいです。
二人展もきっとすぐ実現してしまいそうね。
楽しみにしています。
noriさん、いつもありがとうございます。
とても良いコンディションで残っていたので、本当に嬉しかったです。
一つ欲しいなって正直思ってしまいました(笑)
いつか観てもらえるように頑張ります!